「ダヴィンチ・コード」は映画にもなった実際のレオナルド・ダヴィンチが残したミステリー。その真実に迫ります

ダヴィンチ・コード アドバイザーズ

著者「ダン・ブラウン」は数学者の父と宗教音楽家の母という家庭環境で育った。科学対宗教という二律背反とも環境であるが、このことは、スイスの物理学実験室とバチカン市国を舞台として展開する「Angels & Demons」に生かされている。フィリップス・エクセター・アカデミーを卒業後、同校で英語の教師として勤務、その後作家活動を開始し、1996年に、「Digital Fortress」を発表。
ニューヨークタイムズ紙を始めと主要なにおいて位を続けるという爆発的なベストセラーと40か国語以上に翻訳された。

 

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「ダ・ヴィンチ・コード」の謎と真実

「ダ・ヴィンチ・コード」の謎と真実

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定価 : ¥ 1,000
販売元 : 学研
発売日 : 2006-05

グノーシス主義はドケティズムのはずだが・・・

 イエス・キリストが単なる人間にすぎなかったのか、それとも、神性を備えていたのか、どちらを選ぶのかは各人の信仰の問題であって、信仰の自由が許される国においては、両者ともども尊重されるべきであろう。しかしながら、イエス・キリストが単なる人間にすぎない(し、かつ子どもまでいたのでは)という主張(仮説?)のまわりに、グノーシス主義やナグ・ハマディ文書をちらつかせるのは、賢い選択だとは言えないだろう。なぜなら、グノーシス主義者は、ドケティズム、すなわち、キリストの人間的生は仮象であるとする立場を取っていたからだ(広辞苑にさえこのことは載っている)。グノーシス主義者にとっては、この世界は悪であり、肉体は憎むべきものであった。イエス・キリストが人間で、しかも誰かと結婚しており、子どもまで残していたというストーリーに最も困惑するのは、ナグ・ハマディ文書を書き、それらを読んでいた人々だろう。彼らにとって、子どもを産むということは、卑しき肉体の再生産にしかすぎなかったはずである。
 グノーシス主義については以前から、様々な解釈がなされてきた。しかし、今やグノーシス関連の文書の英訳がペーパー・バックでもオンラインでも読める時代なのである。ユングでさえ手に入らなかったグノーシスに関する情報を素人でも容易に入手できる時代に我々はいるのである。それだからこそ一層、グノーシス主義に関してはもっと慎重な物言いを心がけるべきなのではないかと思う。
 ちなみに、『ダ・ヴィンチ・コードの謎と真実』の不可思議なところは、一方でグノーシス主義はドケティズムであると言っておきながら(p.57、p.81)、イエス・キリストが人間に違いないという主張を裏付けるために「ピリポによる福音書」(p.90-91)を持ち出してくるという点である。本書の真の主張は何なのだろう。

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2006年7月19日19時38分
時点のものです。

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